なぜ腹腔鏡手術?

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内視鏡(腹腔鏡)による避妊手術をご提案する理由

内視鏡(腹腔鏡)による避妊手術をご提案する理由

大阪市鶴見区のクウ動物病院 動物内視鏡医療センターでは、内視鏡(腹腔鏡)を使った避妊手術を行っております。
どうして内視鏡(腹腔鏡)による避妊手術をご提案するのか、その理由をいくつかご説明いたします。

手術時の負担が減らせる

内視鏡(腹腔鏡)による避妊手術の大きなメリットの1つに、“手術時の負担が減らせる”というものがあります。
開腹手術の場合、傷口が大きくなり動物への負担が増しますが、腹腔鏡手術では3~5ミリ程度の穴を数箇所あけるだけなので、術後の痛みが少なく、負担が軽減されます。

また、大きな傷口があると飼い主様は心配になりますが、腹腔鏡手術なら傷が小さいので、心配・不安が緩和されます。
そして腹腔鏡手術の場合、内臓が癒着を起こしたり、傷口で感染症が起こったりするリスクも減少すると言われています。

腹腔鏡手術が“低侵襲手術”と言われる理由

動物への負担が軽減できることから、腹腔鏡手術は“低侵襲手術”と言われています。
その理由は、上記のように“痛みが少ない”“傷口が小さくて済む”ということだけでなく、卵巣とそれに繋がる靱帯組織の切除が完全に体内で行える点も、低侵襲手術である所以なのです。

術後に痛み・不快感が生じる原因

避妊手術の後に痛み・不快感が生じる原因として、下記のような研究報告があります。
卵巣は靱帯組織によって背部に固定されており、避妊手術により卵巣を摘出するためには、この靱帯組織を引っ張らなくてはいけません。
これにより、術後、痛みや不快感が生じると言われています。

痛み・不快感はお腹の中から生じる

これまで「術後の痛みは、お腹の傷口から生じる」と考えられていて、できるだけ小さな傷口で手術するのが良いとされていました。
ですが、傷口が小さいと臓器をしっかり確認できないため、卵巣を摘出する際、靱帯組織を体外へ強く引っ張らなくてはいけなかったのです。
上記の研究報告のように、それが痛み・不快感を引き起こす原因となり、かえって動物への負担を増す形になってしまっていた可能性があるのです。

腹腔鏡手術では卵巣と靭帯の切除を体内で行う

腹腔鏡手術の場合、卵巣と靭帯の切除を体内で行うことができます。
そのため、開腹手術のように靱帯組織を体外へ強く引っ張る必要はなく、術後の痛み・不快感が軽減されるとされています。
こうした動物への負担の少なさこそが、腹腔鏡手術が“低侵襲手術”と呼ばれる所以なのです。