Interview

院長 吉田宗則

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院長インタビュー

“動物への負担を
少しでも減らしたい”
全国的にも珍しい動物への
内視鏡手術を実施
全国的にも珍しい、動物への内視鏡手術を行われていますが、始められたきっかけは?

全国的にも珍しい、動物への内視鏡手術を行われていますが、始められたきっかけは?

とにかく「動物への負担を少しでも減らしたい」ということで始めました。
開腹手術と内視鏡手術では、動物に与える侵襲に大きな差があります。
当然、腹部を切開しない内視鏡手術の方が少なくて済みます。
飼い主様もお腹を切るとなると躊躇しますが、内視鏡手術なら治療の選択肢に組み入れやすくなるのではないかと思います。

動物への負担軽減、そして飼い主様へ1つでも多く治療の選択肢をご提示したい、そんな思いから内視鏡手術を開始しました。

どのようなケースで内視鏡を使用することが多いですか?

どのようなケースで内視鏡を使用することが多いですか?

症例数としては、不妊手術で使用するケースが多いです。
それ以外だと誤飲・誤食、膀胱結石、胆のう疾患などで使用することも多いです。
その他、下痢、血便、嘔吐などの検査としても内視鏡を使用するケースがあります。

基本的にこうした非緊急性の疾患が対象で、内視鏡手術はいわゆる“待機手術”と呼ばれるものになります。
つまり、今日明日、手術しなければいけないわけではない。
手術するかどうか、充分な時間をかけて検討できる 症状・疾患が、内視鏡手術の適応となることが主になります 。

これまでにどのくらいの件数の内視鏡手術を行われてきましたか?

これまでにどのくらいの件数の内視鏡手術を行われてきましたか?

年間数百件ペースで行ってきていて、これまでに少なくとも1,000件以上は手術を行ってきています。
そうした実績に加えて、動物に安全に手術が行えるように、そして飼い主様に安心して内視鏡手術を選択肢の1つに加えてもらえるように、今もなお学会で勉強したり、セミナーに参加したりして、知識・技術のアップデートに努めています。

動物の内視鏡は比較的新しい分野なので、積極的に新しい知識・技術を取り入れるとともに、他の先生とも連携・協力してより良い検査・治療の実現を目指しています。

開腹のような負担の
大きな処置が不要
かつ拡大視野で
正確に手術が行える
飼い主様はどのようなきっかけで内視鏡手術を?

飼い主様はどのようなきっかけで内視鏡手術を?

普段、通院されている動物病院で「手術が必要」と言われて、少しでも負担が少ない方法はないかと調べられて、当院へご相談いただくケースが多いです。
また、かかりつけの動物病院から、当院の内視鏡手術のことを紹介されてお越しになるケースも増えています。

ただ、先ほども少し触れたように動物の内視鏡はまだ新しい分野で、獣医師でも治療内容を正確に知らない方もいます。
なので、動物への負担を減らす1つの選択肢として、こうした治療方法があることを1人でも多くの方に知ってもらえればと思います。

内視鏡手術にはどんなメリットがありますか?

内視鏡手術にはどんなメリットがありますか?

飼い主様に一番伝わりやすいメリットは、“傷口が小さくて済む”ということです。
よく飼い主様にご説明するのは、「開腹手術の場合、私の手はこれ以上小さくならないので、最低でも私の手が入る分のスペースは必要になる」ということです。
内視鏡手術なら、直径数ミリ程度のスコープが入る穴があれば手術できますので、動物に与える負担が格段に軽減されます。
あと、内視鏡で患部を拡大してモニターに表示させられるので、手術においてしっかりと視認しながら精密な手技が可能となります。

開腹のような負担の大きな処置が不要で、かつ拡大視野で正確に手術が行える。
そうした負担の少なさと安全性の高さが内視鏡手術のメリットです。

反対にどのようなデメリットが考えられますか?

反対にどのようなデメリットが考えられますか?

一般的に開腹手術と比べて、内視鏡手術の方が、手術時間が長くなる傾向にあると言われています。
これはデメリットの一つではあるのですが、手術を行う獣医師に技術によって変わってきます。
私はこれまでに1,000件以上の内視鏡手術を行ってきた実績があり、できる限り短い時間で処置を行うことが可能ですので、その点は安心してお任せいただければと思います。

各種疾患の
早期発見・早期治療
そして“予防”に繋がる
負担の少ない手術
院長が考える、内視鏡手術のコンセプトは?

院長が考える、内視鏡手術のコンセプトは?

とにかく“負担の少ない動物医療”を提供したいということです。
内視鏡手術であれば、それが可能になります。
そして動物への負担が少ないということは、飼い主様も治療に踏み切りやすくなり、疾患の早期発見・早期治療、さらには予防に繋がると思います。

先ほどもお話ししましたが、すぐに手術の決断をしないといけないような疾患に比べて、緊急性の低い疾患の場合、どうしても飼い主様は手術を受けさせることを躊躇してしまいますが、負担の少ない内視鏡手術ならハードルは下がり、早期の治療に繋げられると思っています。

まだまだ内視鏡手術についてご存知でない方も多いので、どのような治療なのか、どんなメリット・デメリットがあるのか、しっかりとご説明し、動物にとって何がベストなのか、飼い主様と一緒に考えさせていただきます。