結石の摘出
(膀胱鏡検査・
腹腔鏡下膀胱結石摘出術)

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膀胱結石とは?

膀胱内の結晶が結石化したもの

膀胱内の結晶が結石化したもの

膀胱結石とは、膀胱内の結晶が結石化したもの、または腎結石や尿管結石など膀胱に移動したものを言います。
結石の大きさは数ミリから数センチまで様々で、表面が滑らかな場合もあれば、ギザギザ・デコボコしている場合もあります。

膀胱結石を放置すると、膀胱内の粘膜がダメージを受けて出血が起こります。
また膀胱内で炎症を引き起こし、排尿異常やさらなる結石の発生を招く恐れがあります。
さらに結石が尿管に詰まると、命に関わる恐れがありますので、動物の異変に気づいたらすぐに大阪市鶴見区のクウ動物病院 動物内視鏡医療センターへご相談ください。

膀胱結石の原因

膀胱結石の成分は、主にリン酸アンモニウムマグネシウムやシュウ酸カルシウムなどで、水分不足や肥満、栄養バランスの乱れなど、普段の生活習慣が結石の発生に大きく関与していると言われています。

膀胱結石の主な症状

  • 血尿
  • 頻尿
  • 腹痛
  • 元気がない
  • 食欲がない

など

内視鏡を使った膀胱結石の検査

内視鏡を使った検査(腹腔鏡・膀胱鏡)

内視鏡を使った検査(腹腔鏡・膀胱鏡)

クウ動物病院 動物内視鏡医療センターでは、膀胱結石に対して内視鏡(腹腔鏡・膀胱鏡)を用いた検査を行っており、これにより少ない負担で膀胱結石の状態や位置、個数などを確認することができます。
5~12ミリ程度の小さな傷口から内視鏡を挿入し、膀胱内を観察して、そのまま肉眼で結石を確認しながら摘出することが可能になります。

開腹しての検査・手術の場合、結石を取り残ししてしまう恐れがありますが、内視鏡の場合、しっかりと目で見て確認するので、そうしたリスクが少なくなります。

腹腔鏡と膀胱鏡、どちらも聞いたことがある飼い主さんも多くいらっしゃいますが、違いは何?と聞かれることもあります。
基本的には内視鏡であるということでは同じです。膀胱鏡は広い意味を持つ用語であり、膀胱に何らかの内視鏡を入れて行う検査や手術となります。人の医療では軟性内視鏡と言われる柔らかい内視鏡を用いて手術を行うことが多くなります。これは直径が2-3㎜程度のファイバー状のものとなります。これを尿道から挿入し、膀胱もしくは腎臓内部まで到達させることが出来ます。これは動物でも用いることが可能ですが、小さな動物では尿道も細くてなかなか入ることが出来ません。メスはオスに比べて尿道が太いためにより可能性は高くなりますが、日本の都市部に多い小型〜中型犬にはなかなか難しくなります。

内視鏡を使った膀胱結石の手術

腹腔鏡補助下膀胱結石摘出術

腹部に小さな傷口(5~10ミリ程度)をあけて、そこから腹腔鏡を挿入し、膀胱の状態を確認した後、膀胱を小さく切開して内部を観察し、手術器具を入れて膀胱結石を摘出します。
膀胱を小さく切開する完全な腹腔鏡手術ではないため、“腹腔鏡補助下膀胱結石摘出術”と呼ばれています。

開腹手術との比較

腹腔鏡手術のメリットとして、「傷口が小さくて済む」「術後の血尿などのトラブルが起こりにくい」「術後の痛みが少ないので、早期の退院が可能」などが挙げられますが、開腹手術と比較した時の最大のメリットは、「結石を目で見てしっかり確認し、摘出できる」という点にあると考えています。

開腹手術の場合、膀胱内を目で見ることができないので、多数の結石がある場合、取り残してしまうリスクがあります。
一方、腹腔鏡手術の場合、内視鏡でしっかりと結石が確認できるので、こうした取り残しを防ぐことができるようになります。

入院について

多くの患者さんでは一晩入院して頂き、翌日には退院して頂きます。入院がとても苦手な場合には当日に退院されることもありますが、念のため一晩入院をお勧めしています。

退院後は基本的に通常通りの生活に戻って頂き、1週間後に抜糸をさせて頂きます。それまで血尿などの異常がなければ通院の必要はありません。

膀胱結石とその形状

内視鏡で見る膀胱結石

内視鏡で見る膀胱結石

レントゲン検査や超音波検査で見る膀胱結石は不鮮明な丸い石のことが多いとが思います。実際には膀胱結石には様々な種類があり、その形状や表面、色などは特徴が多い結石も含まれます。

例えば同じストルバイトでもそれぞれに特徴があります。長期間膀胱内にあった結石は膀胱内で転がることで表面が削られてしまい、ツルツルになっていることもあります。このような患者さんでは症状は軽く、発見が遅れてしまう場合も見受けられます。