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- 心臓機能低下の治療(心膜切除術)
心臓機能の低下を招く心嚢水(心タンポナーデ)
心嚢水(心タンポナーデ)とは?
心臓を包む心嚢膜という薄い膜と心臓の間に、異常に液体が溜まった状態です。
正常な場合でも、心嚢膜と心臓の間には少量の心嚢水がありますが、何らかの原因でこれが多量に溜まると、心臓を圧迫して拡張を妨げてしまい、心不全の原因となります。
心嚢水(心タンポナーデ)の原因
犬の場合、腫瘍(血管肉腫や大動脈小体腫瘍など)による出血が原因であることが多いです。
その他、交通事故などによる外傷や心膜炎も原因として考えられます。
猫で心嚢水(心タンポナーデ)が起こることは稀ですが、原因として腫瘍、肥大型・拡張型心筋症、猫伝染性腹膜炎などが考えられます。
心嚢水(心タンポナーデ)の主な症状
- 元気がない
- 食欲がない
- 呼吸が苦しそう
- 血圧の低下
- 頻脈
など
心膜切除術
内視鏡を使って最小限の負担で手術します
心膜切除術とは、心嚢水(心タンポナーデ)など、心臓の機能低下を招く病気に対して行われる手術です。
大阪市鶴見区のクウ動物病院 動物内視鏡医療センターでは、内視鏡(胸腔鏡)を使った低侵襲の手術を行っています。
開胸手術の場合、胸を大きく切開しなければならず、動物に大きな負担をかけたり、呼吸機能の低下を招いたりする恐れがありますが、胸腔鏡による手術の場合、5ミリ程度の傷口を3~4つあけるだけなので、最小限の負担で済みます。
内視鏡を使った手術のメリット
- 開胸手術と比べて、術後の痛みが少ない
- 呼吸筋を切断しないので、呼吸機能の低下が防げる
- 術後の合併症の発生が抑えられる
- 入院期間が短くなる
- 短期間が抜糸することが可能
- 薬の服用や、エリザベスカラーを装着などのストレスが軽減される
など